2023.06.02
ホテルの歴史
箱根ホテル小涌園の開業まで(2)
昭和26年(1951年)、小涌園にトーテムポールが建てられました。その後も、小涌園のシンボルとして敷地内にいくつものトーテムポールがつくられます。小涌園は「100円で1日楽しい入浴休憩施設」と謳われ、子どもだけでなく大人も楽しむことができるレジャー施設として営業していきました。当時の物価は、喫茶店のコーヒーが一杯30円、映画館は100円だったとのことです。大卒者の初任給が5000円台の時代です。
現在「迎賓館」として営業している建物ができたのもこの頃です。昭和28年(1953年)に、愛甲郡中津村(今の神奈川県愛甲郡愛川町)の名主の家を小涌園に移築しました。今では国登録有形文化財建造物として登録されています。
藤田観光は小涌園の名を冠したホテルを各地に展開していきました、大島小涌園は昭和天皇・皇后両陛下の行幸啓も受けています。
日帰り温泉施設などの施設をつくることで箱根エリアを多くの人々に身近なものとすることに成功した箱根小涌園は、新しい施設の建設に着工します。時代は高度経済成長期、旅行の需要も高まりをみせていました。収容人数25名、15部屋から始まった小涌園は昭和34年に箱根小涌園新館と箱根ホテル小涌園をオープンし、箱根を代表する施設となりました。昭和35年には雑誌『TIME』に、昭和37年には『LIFE』に掲載され、その存在は世界的なものとして確立されます。
「箱根といえば小涌園」と称されるほど、箱根小涌園、箱根ホテル小涌園は盛り上がりをみせました。